2017/04/20

タワーマンションの税制改正が及ぼす影響

タワーマンションの税制改正」

 ニュース等でご存知と思いますが、平成29年度の税制改正において、タワーマンションの各戸の固定資産税の算出方法が見直され、財産評価が加味されることになりました。

 マンションの分譲価格は、日当たりや眺望の良さから高層階ほど坪(㎡)単価が高く設定されていますが、各戸の固定資産税は、マンション全体の評価額を算出し、それを専有面積に基づいて全戸で按分しています。従って、同じ広さの専有面積であれば、たとえ分譲価格が倍であっても同額の固定資産税が課せられます。

 つまり、マンションの固定資産税は、坪単価の高い上層階の部屋ほど割安になり、坪単価の低い低層階の部屋ほど割高となるシステムになっていました。  

タワーマンションの上層階は投資対象・節税対策」

 そのため、タワーマンションの上層階の部屋では、固定資産税が相当に割安となることから、外国人を含む富裕層の投資対象や、節税対策となっていました。毎年課せられる固定資産税のほか、「固定資産税評価額」を使って評価する相続税や贈与税においてもその節税効果が大きいのです。

タワーマンションの高層階は高く、低層階は安く」

 そこで国は、高さが60m(20階)を超えるタワーマンションにおいては、マンション全体の財産評価はそのまま据え置き、階層の違いによる坪(㎡)単価の違いを考慮して、高層階ほど固定資産税の負担を増やすという見直しを行いました。

 具体的には、
「高さが60m(20階)を超えるタワーマンションに係る固定資産税額を按分する基準となる各専有部分の床面積は、階層別専有床面積補正率により補正する」と、しました。

 階層別専有床面積補正率とは、階層が1階上がると税額の按分の基となる床面積が約0.26%大きくなるように設定される補正を言います。つまり、上層階ほど実際よりも床面積が広く見なされ、階層が1階に近いほど狭く見なされます。中間層は実際の床面積と同じということになります。

 従って、規定以上のタワーマンションの固定資産税は、中間層はこれまでと変わりませんが、40階は1階に比べて約10%ほど割高となります。

 この改正は、平成29年4月から販売され、平成30年度から新たに課税されることになる高さ60mを超えるタワーマンションにのみ適用されます。既に課税されているマンションは、変更がありません。

 この見直しにより、階層(販売価格)の差による固定資産税額の負担の不公平感は解消されますが、マンション管理組合としては、新たな問題を抱え込むことになりました。

(※以前にも書きましたが、私は、乱立する超高層ビルには懸念を抱いています。)

「議決権に財産評価を導入?」

 それは、国土交通省が公表している「平成28年 マンション標準管理規約コメント」の改正において、新築物件における選択肢として、「総会の議決権について、住戸の価値割合に連動した設定も考えられる」と、しています。

 つまり、これまでマンションの総会における議決権は、専有面積に応じて定められていましたが、これからは、財産評価を加味するよう促しているようにも思われます。しかし、そうなれば、管理費や修繕積立金も連動しなければ矛盾が起きるのではないでしょうか。また、理事長と最上階組合員との議決権差が数倍という事態も考えられます。これでは管理組合が正常に機能するとはとても思えません。

「マンション管理は財産管理ではない」

 やはり、税は、財産評価(補正床面積)を基本に定めるとしても、マンションの維持管理は、物理的評価(実質床面積)を基本に意志決定がなされるべきだと考えます。従って、国土交通省には、マンション標準管理規約コメントから、「総会の議決権について、住戸の価値割合に連動した設定も考えられる」と、いう文言を是非とも削除していただきたい。

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