2017/04/09

日本の都市計画は経済政策?

「乱立する超高層ビル」に懸念

 不景気が20年以上もつづいている我が国ですが、三大都市圏では、いつの間にやら、あちらこちらで無計画に超高層ビルが乱立しています。

 日本の都市計画では、容積率は、最も高い商業地域でも600%~800%程度ですが、公共用地の提供や歩道状空地を設けるなどの地域貢献と引き換えに、1300%以上(最高1700%が許可されています)という容積率がボーナスとして行政から与えられる都市計画制度があります。

 「道路が広がり、歩行空間や公共広場が整備されるから」というのがその理由です。一方、民間は、床面積が通常の1.5~2倍のビルが建てられるのであればこの程度の投資は惜しみません。そのため、高さ100m以上の超高層ビルがあちらこちらで無計画に建築されているのです。

 また、法定再開発事業となると、さらに国庫補助も受けられるので事業収益は格段にUPし、資金力・人材力の豊富な大手不動産会社にとっては願ったり叶ったりということになります。

 つまり、行政としては、固定資産税など諸々の税収がUPし、民間事業者としては、事業規模・事業収益が拡大することから、相思相愛という訳です。

 しかし、超高層ビルの向かい側の木造密集地域などはそのままで、ピンポイントでの街づくりにしかなりません。しかも、至る所で認可されるため、雨後の筍のようにあちらこちらで乱立する状況となっています。

 あるテレビ番組で、某女性タレントが言っていましたが、「東京は衛生的できれいな街だけど、都市づくりに哲学が無いとある欧人に言われた。」と、私も、全くその通りだと思います。

 確かに、タバコの吸殻・ゴミ・落書きなどは随分減って街はきれいになったと感じますが、戦後の日本の都市計画は、民間の反発を恐れるあまり、現状をほとんどそのまま追認(現状追認型)しただけのもので、とても計画と言うにはほど遠いものです。都市計画道路でさえ大半が施行出来ない有り様です。

 そこへ、構造改革、都市再生の名の下、都市計画においても税収UPのための経済政策ばかりが目立ちます。元々の都市計画が貧弱な上に、経済優先の規制緩和を持ち込めば、どういうことになるか火を見るより明らかです。

 建築技術の進歩から、地震国日本においても超高層ビルが建築可能となりましたが、あるべきその都市のグランドデザインを描いた上で、都市計画で定めた特定の地区においてのみ超高層ビルを誘導することが必要ではないでしょうか。

 世界的にも超高層ビルの数・規模がその国の経済力のバロメーターとされたり、また、超高層ビル群がその国のシンボルともなったりする時代ですが、「乱立する超高層ビル」は、我が国だけの風景であり、異様な都市景観であるということを訴えたいのです。

関連記事

コメント

非公開コメント