2012/03/28

区分所有法の経緯(2)-昭和58年の大改正-

<昭和58年(1983年)の大改正>

 区分所有法制定後20年が経過して、中高層建築物は飛躍的に拡大し規模も大きくなりました。そのため、当初の法律では対応ができなくなり、昭和58年(1983年)に大改正が行われました。その概要は以下の通りです。

(1)敷地利用権の分離処分の禁止
 区分所有建物とその敷地を一体的に管理し、また、建物と敷地の登記を一つの登記簿で行った方が便利なため、専有部分と敷地利用権は、原則、分離して処分できないとしました。これは現在でも変わりませんが、規約で特段の定めをすることは可能です。

※日本では、元来、土地と建物は別々の不動産とされており、専有部分と敷地利用権は別々に処分できることになっていますが、その例外を認めたものです。

(2)共用部分及び規約の制定等
 共用部分及び規約の制定、変更又は廃止は、原則として、区分所有者全員の合意が必要でしたが、区分所有者及び議決権の各3/4以上の賛成多数で行えるよう緩和しました(「特別決議」と言います。)。また、共用部分の管理は、持分の過半数の決議によるとしていましたが、区分所有者数及び議決権の各過半数の賛成で行えると改めました(「普通決議」と言います。)。この改正で、より現実的な制度となりました。

(3)管理組合の法人化
 権利能力なき社団である管理組合が、法人格を取得できるよう、管理組合を法律上明らかにしました。区分所有者の数が30人以上いるときは、集会の特別決議(各3/4以上)で法人となることが可能になりました。

(4)共同の利益に反する区分所有者の制裁規定
 建物の保存に有害な行為、その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為を行った区分所有者に対して、集会の決議(普通決議)に基づいて、その行為の差し止め請求することができるとしました。それでも、その行為が無くならないときなどは、集会の決議(特別決議)に基づいて、専有部分の使用禁止の訴え、もしくは、その区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができるとしました。暴力団など反社会的勢力がいつの間にかマンションに入り込んできて社会問題となったためです。

(5)マンションの建替え
 マンションの建替えは、集会において、区分所有者及び議決権の各4/5以上の賛成多数により「建替え決議」ができるよう緩和しました。これまでは、「民法」により区分所有者全員の合意が必要でしたが、現実的に不可能であることから例外的に改正しました。

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