2012/03/25

マンション建替え円滑化法

マンション建替え円滑化法とは>

 阪神淡路大震災により被災した500棟あまりのマンションのうち、約100棟のマンションが建替えを行いましたが、それまで、日本ではマンションの建替えの実績はほとんどありませんでした。そのため、建替えが完了するまでに平均すると3年2カ月を要するなど、スムーズに建替え事業が行われたマンションは少なかったようです。
 
 そこで、国では、「区分所有法」の建替え決議等に関する規定を平成14年(2002年)に見直し、それに伴い、建替え事業を円滑に実施するため「マンションの建替えの円滑等に関する法律(以下、「マンション建替え円滑化法」と言います。)」を、同じく平成14年に制定しました。この法律は、初期に建てられたマンションが建替え時期を迎えていることも考慮したものです。

 従って、「マンション建替え円滑化法」は、建替えの計画や手続き、方法及び権利を移す仕組みなどが定められています。

<「マンション建替え円滑化法」の概要>

(1)「マンション建替組合」
 マンション建替えの施行者となる「マンション建替組合(以下、「組合」と言います。)」は、「建替え決議」が行われた後、建替え賛成の区分所有者の3/4以上が賛成する建替え計画(以下、事業計画と言います。)と組合の運営ルール(定款)を都道府県知事が認可したときに設立することができます。
 建替えに賛成する区分所有者や、事業に参画する住宅デベロッパーなどの民間事業者(「参加組合員」と言います。)は、「組合員」となります。組合には「法人格」が与えられ(登記は必要ありません。)、法人として工事の契約や資金の借入などをすることができます。組合は、マンションの建替えの合意形成を円滑に進めるため、当該法律に定められた意志決定ルールにより、集会等で必要な事項を決めていきます。

(2)「権利変換」
 マンションを建替えるときは、古いマンションを解体・撤去した後、新しいマンションを建築しますが、古いマンションを撤去した後も各組合員の区分所有権などはそのままとし、新しいマンションが完成後、権利を移行できる仕組みが設けられています。このことを「権利変換」と言います。これにより、古いマンションの区分所有権に担保を設定している金融機関からの合意も得られることになります。
 この権利変換の内容(「権利変換計画」と言います。)は、組合員の4/5以上が賛成し、都道府県知事が認することにより決定します。

(3) 権利の買取り
 組合は、マンションの建替えに賛成しない区分所有者の権利を買い取ること(「売渡し請求」と言います。)ができます。またその逆で、マンションの建替えに賛成しない区分所有者は組合に区分所有権などの買い取りを請求すること(「買取り請求」と言います。)ができます。

(4)一括登記
 「マンション建替え円滑化法」では、組合は建替えに必要なそれぞれの区分所有者の登記を一括して行うことができることから、各区分所有者は非常に煩雑な数多くの登記が避けられます。

(5)建替え勧告
 火災や地震などへの安全性が確保されていない、または、住宅として著しく不適切なマンションに対して、市町村長がマンションの建替えを勧告することができます。

<「マンション建替え円滑化法」の改正>

■ 「区分所有法」の改正(平成14年)に伴う改正

1) 組合施行の場合でも、建替え前の敷地の一部が含まれていれば建替えを可能とした。

2) 「団地一括建替え決議」に基づいて施行される団地の建替組合の設立を可能とした。

3) 団地内の建物の「建替え承認決議」があった場合は、権利変換計画の同意対象者は建替えるマンションの区分所有者のみとした。

以上、概略について簡単に説明しましたが、詳しくは「マンション建替え円滑化法」をご覧ください。

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