2019/09/01

虎ノ門・麻布台再開発は本当に「新時代の生き方提案」になるのか?

虎ノ門・麻布台地区再開発事業
 森ビルの「虎ノ門・麻布台地区再開発事業」は、2023年3月の完成を目指して、計画の概要が発表されました。
 計画地は、麻布通り・外苑東通り・桜田通りに囲まれた東京港区の都市再生緊急整備地域で、「六本木ヒルズ」に匹敵するほどの広大なエリアです。最寄り駅は西側に南北線「六本木一丁目駅」、東側に日比谷線「神谷町駅」がありますが、2駅とも再開発ビルと地下通路で結ばれるという壮大な計画で、総事業費は5,800億円が見込まれています。

「新時代の生き方提案」
 施設は、約6,000㎡の中央広場を中心にオフィス・住宅・ホテル・インターナショナルスクール・商業施設・文化施設などの多様な都市機能を融合させた「ヒルズの未来形」としての街が誕生するとのことですが、中央広場をはじめ多くの緑地を設け、さまざまな人が交流したり、くつろいだりできる空間を創出し、「新時代の生き方提案」を行なうとのことです。

「超高層ビルが3棟」
 メインタワーの高さは、すぐ傍にある東京タワー(333m)に匹敵する約330mで、2023年の完成時には、大阪の「あべのハルカス」(300メートル)を抜き日本一となる予定です。そのほか2棟の200mを超す高超高層ビルと低層ビルとからなり、延べ床面積と集客力で六本木ヒルズを上回る構想です。
 超高層ビルの高さをめぐっては、三菱地所が、JR東京駅北側の常盤橋地区(東京都千代田区)で進めている「常盤橋再開発プロジェクト」で、高さ約390mのビルの建設を計画しており、こちらは2023年度着工、27年度完成の予定ですので、いずれこちらが日本一の高さになるようです。

「壮大な計画には建築魂がワクワクする一方・・・?」
 この地区は、老朽化した低層家屋の多く残っていた密集地域で、土地の有効活用、都市の健全化、活性化、防災面からも再開発は致し方のない地区だと思いますし、これだけの壮大な計画には、ワクワクする建築魂を自分でも抑えられないのも偽りのない気持ちです。

「経済政策による再開発の恩恵は大手不動産会社と高所得者!」
 しかし、日本の都市計画は、経済優先でどちらかというと場当たり的で現状容認型の傾向が強く、とても計画的とは言えません。もっと俯瞰的に言うならば、東京ばかりに一極集中が進み、地方との格差がどんどん広がっています。さらに、都市再生特区国家戦略特区の名の下、大都市の中心部では「容積率」の大バーゲンセールが行なわれ、地価が高騰し、優良企業や高所得者しか住めない構造が進んでいます。また、超高層ビルの建築ラッシュ(超高層ビルが乱立すること自体も問題です。)により、中心部では夜間人口、昼間人口とも増加し、公共交通や学校などの公共施設が飽和状態になるなど社会問題にもなりつつあります。
 経済政策により、大手不動産会社が手掛ける大都市の再開発事業ばかりに多額の国費が注ぎ込まれ、結局、その恩恵を受けるのは当事者の大手不動産会社であり、地権者です。また、経済効果による税収UPが見込める国や自治体です。何とも腑に落ちません。とても「新時代の生き方提案」などは望めません。貧富の格差の象徴にしか思えないのです。
 もっと、経済最優先から脱却して、国や地域全体の活性化とバランスを考慮した国土計画や都市計画に改めない限り、切り捨てられる地域や人々がどんどん増え続け、日本は本当に沈没してしまいます。
 
「市場経済優先主義に人類の未来はあるの・・・?」 
 私は、現代の日本や主要な世界の国々が市場経済を優先するあまり、将来に不安を覚えます。この市場経済優先主義が続く限り、地球上の人口は増え続け、食料は枯渇し、温暖化は進行し、いつのまにか人類が住めなくなるのではないかと案じています。しかし、人間とは愚かなもので、滅亡するという実感がない限り、その欲望は抑えられないのでしょう?さらなる経済的豊かさを貪欲に求めています。
 残念ながら、私にも良い案が思い浮かびません・・・?。

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