2018/10/07

豊洲市場の問題は、土壌汚染?施設計画?床荷重?それとも、・・・?

2年間延期して、その成果は?

 東京都中央卸売市場の一つである築地市場は、2年前の11月に豊洲へ移転されることになっていましたが、小池知事の誕生により、土壌汚染と事業費の高騰を理由に凍結されていました。
 ここにきて、10月6日に築地を閉場し、11日からの豊洲開場に向けて大引っ越しが徹夜で行われています。連日、テレビでもその映像を盛んに放送していますが、「この2年間は何だったのか?」と、疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。そのとおりだと思います。実態は、何も変わっていません!

さらに煽るメディア!

 また、一部のメディア(専門家?)では、動線計画が悪いとか、床荷重が不足しているとか、やれ設計ミスだと今でも書き立てています。
 しかし、動線計画床荷重などに関することは、一部の市場関係者の意見を取り込んでいるだけで、専門的に調査したわけでもなく、少し煽り過ぎの感が否めません。

「さよなら築地」

設計に関する権限と責任の所在こそ問題!

 今回の問題では、ほかに根本的な原因があるのではないでしょうか?以前、問題となった新国立競技場のときもそうでしたが、公共施設の場合、設計業務に関する権限とその責任の所在が曖昧で、役割分担が国民に見えないことです。
 つまり、設計者に対して、誰が、どういう設計条件に基づいてその設計業務を委託し、誰が、設計図を承認したのか、その協議・プロセスを含めて国民に見えないことです。

建築設計には、誰もが理想とするものはない!

 建築の設計業務は、発注者から与えられた設計条件を基に、法規定を守ることは最低限の責務ですが、公共性・社会性・経済性のほか利用する側の人たちの意見にも配慮しながら、自分達の設計思想とデザインによって、エスキスから詳細へと設計図を描いていきます。
 したがって、十の意見を十取り入れるのではなくて、取捨選択と代替案を検討し、全体にバランスの取れた施設計画へと纏め上げまて行きます。しがって、発注者は、そのことをよく理解し、国民に説明する義務があるのです。

世界の建築家は、日本のコンペには、もう参加しないのでは!

 その設計に対して、設計者の思想を尊重しつつ、設計条件に基づいて完成度を判断し、設計承認をするのが発注者の責務です。その協議・プロセスを含めて権限の所在が曖昧なため、誰が設計を推進したのか?誰が最終的に承認したのか?誰に責任があるのか?全く曖昧模糊としているのです。(逆に一部の民間企業では、越権行為も甚だしいワンマン経営者が居て、デザインを滅茶苦茶にする場合もありますが・・・これも困ったものです。)
 「赤信号、みんなで渡れば怖くない!」を続けていては、生産性が上がるはずもなく、世界の建築家から見放されてしまいます。もうすでに、そうかも・・・!

行政は、アトリエ派事務所ともトラブル!

 新国立競技場豊洲市場は、大手の設計事務所でしたが、規模は小さいがデザイン力のある「アトリエ派」とよばれる設計事務所においても、行政のコンペで受賞しながら、首長の交代などにより、設計業務に関する訴訟が増えています。それでなくても、民間工事の設計は、現在、そのほとんどが大手事務所に集中しており、官民そろって「アトリエ派」設計事務所の仕事が無くなってしまいます。これでは、建築界のノーベル賞と言われる「「プリツカー賞」など、今後、日本人が受賞することなどできないのではと案じています。

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