2017/11/20

日本の心配事(2)

切り刻まれる国土

 最近,首都圏において特に目立つようになりましたが,狭い土地が分筆され,軒を連ねるように2棟,3棟・・・と住宅が連なって建てられたり,少し広い事業跡地などでは,袋小路の私道を挟んで6棟~10棟と密集住宅地が造られたりしています。所謂,ミニ開発と呼ばれるものです。

 その原因は,高騰化した土地価格のために,相続税を賄うためであったり,収益性からであったりと,そのほとんどが経済的理由からです。しかし,根本的な原因は、日本に真の土地利用計画,法律(国土利用計画法,都市計画法,建築基準法等)がないからです。現在の法律では,外国からも揶揄されているように,ほとんど野放しに等しく,市場(経済)任せ,成り行き任せとなっています。将来の国土の姿(グランドデザイン)などとても描けない状態です。

3階建住宅狭小敷地に拍車

 また,1987年の建築基準法の改正に伴い,準防火地域での木造3階建住宅が解禁されたことで,より狭小敷地に拍車をかけることにもなりました。その理由は,3階建は2階建に比べて,同じ床面積を確保するのに最低限必要な敷地が狭く(狭小敷地)て済み,サラリーマンでも手の届く住宅価格になるからです。テレビで持て囃しているところの「狭小建築物」もこの類いです。

その結果,土地の狭小化はどんどん進み,1筆の土地が2つ,3つ,4つ・・・と,建築可能な極限にまで分筆され,それぞれ目一杯に住宅が建てられているのが現実てす。

狭小敷地
<狭い土地を2分割! 1棟⇒2棟へ建築中>

都心部の再開発には多額の国税投下

 その一方で,都心部を中心に,多額の国税を注ぎ込み,土地の集約化と高度利用を目的に,市街地再開発事業などが施行されており,超高層ビルが此処彼処と建てられているのも現実です。

日本の土地利用計画は「頭隠して尻隠さず」

 つまり,日々,土地の狭小化がどんどん進む一方で,再開発事業なとにより土地の集約化も同時に進行しているというのが日本の現状なのです。日本の土地利用計画は,「頭隠して尻隠さず」と,いう訳です。

日本の国策は,税収UPが最優先課題

 国としては,住宅産業,不動産業が活発になり,税収がUPすることから推進している政策なのです。つまり,経済が良くなり,税収さえ増えれば,「国土など,どうなろうとも知ったことではない」と言わんばかりの姿勢で,不作為以外の何ものでもないのです。観光立国と言うには程遠い土地利用計画であるということを認識すべきなのです。

真の「国土づくり,都市づくり,まちづくり」へ施策を転換!

 しかし,このままでは,「安全・安心な都市づくり」,「地震・災害に強いまちづくり」,「都市景観の向上」などに,全く逆行することになります。木造3階建住宅は,防火規制が多少付加されていますが,火災や地震に強い訳ではありません。震災復興とともに,真の「国土づくり,都市づくり,まちづくり」のための土地利用計画に,今すぐに転換しなければ,この国は取り返しのつかないことになることだけは明白です!

関連記事

コメント

非公開コメント