2017/08/21

スーパーゼネコンTS建設に何が起きているのか?

この1年に起きた重大事故・事件

(1)福岡市市営地下鉄七隈(ななくま)線延伸工事中の道路陥没事故 施工:TS建設代表共同企業体(JV) (2016/11/8)

 福岡市のJR博多駅前、市営地下鉄七隈線の建設現場で起きた道路陥没事故、JR博多駅前の市道2カ所が縦約10メートル、横約15メートルにわたって陥没し、穴は徐々に広がり、計5車線の道幅いっぱいの約30メートル四方、深さ約15メートルになった。穴には水が激しく流れ込んでいて穴がさらに広がる可能性があり、周辺のビル10棟に避難勧告が出たほどの大事故となった。

(2)渋谷駅再開発現場の鉄骨倒壊事故 施工:TK・TS建設共同企業体(JV) (2017/6/19)

 渋谷駅東口の再開発事業工事現場で鉄骨が倒れ、歩道との間を区切るフェンスの上に寄りかかったが、幸いけが人は出なかった。倒れた鉄骨付近から、縦2メートル、横1メートルほどの鉄板が歩道に落ちるなど、一歩間違えると大事故になりかねなかった。

(3)新国立競技場建設現場下請け現場監督の過労死(自殺) 施工:TS建設 (2017/4月)

 新国立競技場地盤改良工事の現場監督として従事していた23歳大卒1年の青年が、3月2日に失踪し、その後、4月に長野県で遺体で発見された。工事現場のセキュリティ記録などから、失踪する前の1カ月間は211時間56分の残業が認められた。遺書には「身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした」とあった。

 この現場は、私のブログにも書いていますが、国の不手際により、デザインが突如変更(再設計)となったことが原因で、如何に工期内に完工させるか、全く予断の許さない状況です。

(4)東京丸の内工事現場作業員3人転落事故死 施工:TS建設 (2017/8/11)

 東京都千代田区丸の内の「東京会館」ビル建替え工事現場で、男性作業員3人が相次いで地上から地下3階に転落した。足場の鉄板が突然外れて約25メートル下に転落したとのことで、40代の作業員2人と50代の作業員の計3人が全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡した。

原因は仕事の取り過ぎ?人員不足?管理能力の低下?

 これらの事故 ・事件は、この一年以内に起きたもので、重大ニュースともなりましたが、スーパーゼネコンの中でも、TS建設の現場で突出して多いのは偶然でしょうか?

 最近、都内を歩いていても、TS建設の現場の多さには眼を見張るものがあります。仕事の取り過ぎではないかと心配にさえなります。そのため、現場の人員不足が深刻になっているとも聞きます。オリンピック景気のため、今は仕事が多いが、将来を見据えると簡単には人を増やせないし、3K(きつい、危険、きたない)の建設業界に就職する若者も少ない等々、色々な理由があるようです。

 しかし、私が現場事務所で監理を行なっていた昭和の終わり頃と比べて、明らかに現場を知らない、現場を見ない管理者が増えているように感じます。パソコンに向かってデスクワークばかりしているように見えます。

 建設業界においても、ITの登場により図面等の作業効率や精度は格段に進歩しましたが(感性や美的センスは逆に低下したかも?)、逆に、デスクワークが膨大になって、現場に居ながら現場を見ないで、資料づくりや工程会議等に追われているように思います。先ずは、デスクワークの前に、もっと現場を見て、現場を覚えて、現場を身に付けて、より一層、品質管理と安全管理に努めてもらいたいものです。

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