2017/09/10

「特区」って、本当に構造改革・・・?

「特区」にもいろいろ

 現在、特区(特定区域)と呼ばれているものは4種類あります。小泉内閣時代に、都市再生特区(2002年)と構造改革特区(2002年)が誕生しました。都市再生特区に認定されると、その再開発プロジェクト等に対して、規制緩和・税制優遇・金融支援が付与されます。構造改革特区は、自治体に対して、個別分野の規制緩和のみが付与されます。

 その後、総合特区(2011年)が制定され、自治体から提案された事業計画に対して、規制緩和・税制優遇・金融支援が付与されます。これには、国際戦略総合特区と地域活性化総合特区とがあります。

 そして、加計学園問題でも有名になった国家戦略特区(2013年)です。自治体や民間企業から提案された事業計画に対して、規制緩和・税制優遇・金融支援が付与される制度です。

 違いがよくわからないですね!こんなに「特区」って必要かって感じです。少しづつ趣旨とか制度とか異なっているとは思いますが、基本的には、時の内閣が現行の法律を反故にして、特定の事業をスピーディーに推し進めようというものです。建前は、「規制で守られた業界に風穴を開けるためだ」とも言われています。

「特区」の価値があるのか疑問?

 建前は至極もっともですが、その計画が、本当に国のために必要か?閉ざされた業界に一矢を報いることになるのか?一部の政治家・官僚・企業の利益が優先されているのではないか?・・・疑問の余地が残ります。何故なら、加計学園の獣医学部新設問題をはじめとして、とても特区に指定するほど価値のある計画とは思えないからです。

乱立した超高層ビルは、魅力のない都市に!

 私の専門分野の都市計画においても、容積率は、法律上1,300%が上限となっていますが、「特区」により、大都市では、最高で2,000%にも緩和されています。その結果、筍のように超高層ビルが乱立し、国際都市どころか、一層、無計画で魅力のない都市になっています。外国からの観光客が増加しているのは、世界的に富裕層が増加していることが要因であって、日本の都市や観光地に魅力があるからではありません。誤った思い違いや過信は禁物です。観光客が増加しているのは世界的な傾向です。

「特区」は危険な都市づくり?

 まして、直下型大地震が発生したら、長周期パルスにより、乱立した超高層ビルが倒壊するなど、とても想像もできないような大惨事になる可能性があります。これが、地震という宿命を背負った日本の安全・安心な都市づくりなのでしょうか?

「特区」よりも、抜本的な構造改革を!

 このような「特区」に頼るのではなく、この国の将来にとって望ましい国のグランドデザインを国民とともに考案し、それに向けて法律や政策を改定すべきではないでしょうか。別の見方をするならば、「特区は、政治家、官僚の怠慢、不作為の隠れ蓑である」と言わざるを得ません。