2012/03/31

マンションとは

<マンションとは、和製英語の「中高層分譲共同住宅」>

 そもそも「マンション(mansion)」とは、何を指す言葉でしょうか?「mansion」とは、英語で「豪邸」を意味する言葉ですが、日本では、英語の「apartment house(アパートメントハウス)」や、米語の「condominium(コンドミニアム)」に近いようです。ちなみに、米国ではビバリーヒルズにあるような大邸宅を「〇〇〇〇Mansion」と呼んでいます。
 
 日本では、昭和30年代の高度成長期に、大手不動産会社が共同住宅を分譲するようになりました。以前からあった「アパート」という名称では、賃貸共同住宅というイメージが強かったため、「マンション」と称して販売しました。すると、この「マンション」は急速に普及し、広く一般に浸透しました。しかし、中高層の賃貸住宅においても、建物の名称に「〇〇マンション」と表示するところもあらわれ、中には、中高層の共同住宅すべてを「マンション」と誤解している人もいるようですが、正確には、和製英語の「中高層分譲共同住宅」ということになります。

<法的には、「中高層分譲共同住宅」&「複合用途型分譲共同住宅」>
 
 少しかたくなりますが、法的にはどうでしょうか?「中高層分譲共同住宅」というのは、建物の一部分(専有部分)が独立していて、所有権の対象(区分所有)となることから分譲できますが、それまでの日本では、「民法」において、一つの物には一つの所有権しか存在しない「一物一権主義」が大前提でした。
 そこで、区分所有の建物に対応する新しい法律が必要になり、民法の特別法として、「建物の区分所有等に関する法律(略して、「区分所有法」と言います。)」が昭和37年(1962年)に制定されました。(東京オリンピックの2年前のことです。)そのため、この法律のことを「マンション法」とも呼んでいますが、用途に関係なく区分所有の建物であれば対象となります。まだこのときは、「マンション」という用語は定められていませんでした。

 その後、全国的に数多くの「マンション」が建てられるようになり、管理に関する諸問題が表面化するようになりました。(今では、全国に約6百万戸(平成25年時点)のマンションがあります。)そこで、平成12年に、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(略して、「マンション管理適正化法」と言います。)」が制定されました。この法律は、管理組合が適正に運営され、マンション管理業者の資質が担保されることを目的としています。

 この「マンション管理適正化法」において、初めて、「マンション」という言葉の定義が定められました。「マンションとは、2人以上の区分所有者がいる建物で、1戸以上の専有部分の住宅があるもの」となっています。つまり、複数の区分所有者がいて、区分所有の住宅が1戸でもあれば「マンション」と定められました。

 結論として、法的に「マンション」とは、「中高層分譲共同住宅」と、住宅以外の用途が混在する「複合用途型分譲共同住宅」のことを指します。

2012/03/30

区分所有法(マンション法)

<区分所有法とは>

■「 区分所有法」はマンションの基本となる法律です。従って、「マンション法」とも呼ばれていますが、正式な名称は、「建物の区分所有等に関する法律」と言います。昭和37年(1962年)に制定された比較的新しい法律です。(東京オリンピックの2年前のことです。)

■ 「区分所有法」は、※マンションなど区分所有の建物の所有関係や管理の考え方、方法などを定めた法律です。(この法律は、住宅以外の区分所有の建物も対象としています。)
 ※当ブログ内、専門用語の説明「マンションとは」をご覧ください。

■「区分所有法」は、マンションなどの大規模修繕や建替えなどの手続き、方法についても定めています。

<区分所有法の概要>

○「専有部分」と「共有部分」
 一つの建物が区分所有されているとき、区分された部分を所有する権利を「区分所有権」、その権利を所有する人を「区分所有者」、その所有された部分を「専有部分」、専有部分以外の部分を「共有部分」と言います。マンションでは、原則として、壁やサッシ、ドアで区切られた内側が専有部分となり、それ以外は共用部分となります。柱や壁のコンクリート部分やバルコニーも共用部分となります。(マンションには、専有部分と共用部分以外ありません。)

○建物と土地の関係
 区分所有されている建物の部分を所有する権利は「区分所有権」で、この建物が所在する土地及び規約により建物の敷地とされた土地の権利を「敷地利用権」と言います。「敷地利用権」は、これらの土地が区分所有者で共有されているときは、原則として、その有する専有部分の床面積の割合により決められています。また、区分所有権と敷地利用権は一体のものとされ、分離して処分することはできません。

○ マンション管理組合
 区分所有法では、マンションの管理運営を行うため区分所有者全員からなる団体が定められています。一般的に、マンション管理組合(以下、「管理組合」と言います。)と言われています。管理組合は、集会を開くなどして規約やその他必要なことを決定し、マンションの共用部分の管理や修繕などを実施します。

○管理規約
 マンションを管理運営する上でのルールを定めたのが規約です。一般的に「管理規約」と呼ばれています。この規約には、管理組合の運営方法や、専有部分・共用部分の範囲や使用方法、管理費や修繕積立金の額など、マンションの管理運営に必要な様々なことを定めることができます。ただし、法令に抵触するものは無効となります。規約は、管理組合が開く集会で、区分所有者及び議決権の各3/4以上の賛成を得て作成、変更または廃止することができます。

○ 大規模修繕
 マンションの外壁を塗り替えたり、古くなった配管を取り替えたりする大規模な工事(修繕)を「大規模修繕工事」と言います。この工事を行う必要性やその箇所、内容は、専門家等を交えて検討し、管理組合が開く集会において、区分所有者及び議決権の各過半数の賛成により実施しますが、共用部分を著しく変更する場合は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の賛成多数が必要になります。

○ 建替え決議
 管理組合が開く集会において、区分所有者及び議決権の各4/5以上の賛成多数によりマンションの建替えを決めることができます。このことを「建替え決議」と言います。
 団地全体を建替えるときは、団地管理組合の開く集会で、団地全体の区分所有者及び議決権の各4/5以上の賛成多数で行えますが、各棟において、それぞれ区分所有者及び議決権の各2/3以上の賛成を得ることが前提条件となります。この決議を称して、「団地一括建替え決議」と言います。
 また団地の一部の棟を建替えるときは、建替える棟の管理組合の開く集会において、建替え決議(区分所有者及び議決権の各4/5以上)を経た上で、団地管理組合が開く集会において、団地全体の議決権の3/4以上の賛成を得る必要があります。このことを「団地建替え承認決議」と言います。

 以上、「区分所有法」について簡単に説明しましたが、特に「マンション」を所有されている方は、ときどき「区分所有法」(リンク)をご覧になって、マンション管理の参考にしてください。

2012/03/29

区分所有法の経緯(1)-制定時-

<区分所有法の経緯>

 「区分所有法」は、昭和37年(1962年)に制定された比較的新しい法律です。日本では、それまで集合住宅と言えるものは※棟割長屋(むねわりながや)しかなかったため、法律まで必要なかったのです。

※棟割長屋(むねわりながや)とは、1棟を垂直方向に区分し、壁を共有しますがそれぞれが独立した集合住宅のことを指します。各住戸には直接道路に接して玄関があり、他の住戸と共有しない構造となっています。時代劇などによく出てくる長屋をイメージしてください。近年で言えば、タウンハウスに似た構造とも言えます。

 その棟割長屋時代は、民法旧208条(現行は削除)の1カ条があったに過ぎませんでした。第1項に「共用部分は区分所有者の共有に属すると推定する。」とあり、第2項に「修繕費等の負担は各自の所有部分の価格に応じて分担すべきものとする。」とあっただけでした。

 しかし、戦後の経済成長に伴いビルが建築されるようになり、1棟の建物を垂直と水平の両方向に区分して、それぞれを所有権の対象とする中高層分譲共同住宅(いわゆる※マンション)が建築されるようになりました。また、1棟の建物の中で多数の世帯が共同で生活するようになったため、民法の一カ条で規律することが困難になったのでした。そこで、民法旧208条に代わって、民法の特別法として「区分所有法(マンション法)」が制定されました。
※当ブログ内専門用語「「マンションとは」をご覧ください。

<制定された当初の区分所有法>

(1)専有部分と共用部分
 1棟の建物を「専有部分」と「共用部分」とに分けて、「専有部分」の所有権を「区分所有権」とし、「共用部分」を区分所有者全員の共有としました。これは現在でも変わりません。

(2)共用部分の変更と管理
 「共用部分」の変更は、区分所有者全員の合意により、その管理は持分の過半数の決議によるとしました。区分所有者全員の合意がなければ共用部分の変更が出来ない点が非現実的でした。(※変更と管理の違いにご注意ください。)

(3)管理規約
 管理規約の制定、変更または廃止は、区分所有者全員の署名押印により定められるとしました。これも共用部分の変更と同様に非現実的で厳しい制度でした。

(4)集会の決議
 集会の議決権は、専有部分の床面積の割合で決まる持分割合によるとしました。これは、基本的に現在も変わりませんが、規約で特段の定めをすることは可能です。

2012/03/28

区分所有法の経緯(2)-昭和58年の大改正-

<昭和58年(1983年)の大改正>

 区分所有法制定後20年が経過して、中高層建築物は飛躍的に拡大し規模も大きくなりました。そのため、当初の法律では対応ができなくなり、昭和58年(1983年)に大改正が行われました。その概要は以下の通りです。

(1)敷地利用権の分離処分の禁止
 区分所有建物とその敷地を一体的に管理し、また、建物と敷地の登記を一つの登記簿で行った方が便利なため、専有部分と敷地利用権は、原則、分離して処分できないとしました。これは現在でも変わりませんが、規約で特段の定めをすることは可能です。

※日本では、元来、土地と建物は別々の不動産とされており、専有部分と敷地利用権は別々に処分できることになっていますが、その例外を認めたものです。

(2)共用部分及び規約の制定等
 共用部分及び規約の制定、変更又は廃止は、原則として、区分所有者全員の合意が必要でしたが、区分所有者及び議決権の各3/4以上の賛成多数で行えるよう緩和しました(「特別決議」と言います。)。また、共用部分の管理は、持分の過半数の決議によるとしていましたが、区分所有者数及び議決権の各過半数の賛成で行えると改めました(「普通決議」と言います。)。この改正で、より現実的な制度となりました。

(3)管理組合の法人化
 権利能力なき社団である管理組合が、法人格を取得できるよう、管理組合を法律上明らかにしました。区分所有者の数が30人以上いるときは、集会の特別決議(各3/4以上)で法人となることが可能になりました。

(4)共同の利益に反する区分所有者の制裁規定
 建物の保存に有害な行為、その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為を行った区分所有者に対して、集会の決議(普通決議)に基づいて、その行為の差し止め請求することができるとしました。それでも、その行為が無くならないときなどは、集会の決議(特別決議)に基づいて、専有部分の使用禁止の訴え、もしくは、その区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができるとしました。暴力団など反社会的勢力がいつの間にかマンションに入り込んできて社会問題となったためです。

(5)マンションの建替え
 マンションの建替えは、集会において、区分所有者及び議決権の各4/5以上の賛成多数により「建替え決議」ができるよう緩和しました。これまでは、「民法」により区分所有者全員の合意が必要でしたが、現実的に不可能であることから例外的に改正しました。

2012/03/27

区分所有法の経緯(3)-平成14年の改正

<平成14年(2002年)の改正>

 マンションの管理をめぐって居住者間のトラブルや紛争が増加し、問題点が表面化してきました。また、平成7年に発生した阪神淡路大震災によるマンションの建替えにおいて、区分所有法の不備が指摘され、以下のような大改正が行われました。

(1)管理に関する改正
①共用部分の変更
 共用部分の変更のうち大規模修繕も含めて、形状または効用の著しい変更を伴わないもの、つまり、建物の基本的な構造部分を壊さずに行う変更については、費用の多少にかかわらず、普通決議(各過半数)で実施できるよう緩和しました。

②管理者等の権限の拡充
 管理者(理事長もしくは管理組合法人)は、共用部分等(共用部分並びに建物敷地及び共用部分以外の区分所有者の共有に属する付属施設)について生じた損害賠償及び不当利得による返還金の請求や受領に関して、区分所有者を代理し、また、規約または集会の決議により区分所有者のために原告または被告となることができることを明文化しました。
 これは、それまで各区分所有者が持分割合に応じて権利を行使するとしていた曖昧な表現を、管理者が各区分所有者を代理して、一元的に管理できることを明らかにしたものです。

③規約の適正化
 規約は管理組合の最も基本的なルールを定めたものですが、中には、一部の区分所有者に有利な内容が入れられるなど著しく不均衡なものも見受けられ、区分所有者相互間や、区分所有者と分譲業者間の争いの原因となるケースがありました。
 そこで、規約は、専有部分もしくは共用部分等について、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならないことを明文化しました。(国土交通省では、「マンション標準管理規約」を公表、推奨しており、多くのマンションが、これを基にそれぞれのマンションに合った規約を定めています。) 

④管理組合の法人化の人数要件の撤廃
 従来は、区分所有者の数が30人以上の管理組合が法人格を取得できましたが、今回の改正では、区分所有者の人数を撤廃(実質2人以上)し、一定の条件を満たす管理組合は、法人格を取得できるとしました。
 しかし、管理組合の理事長は、一般的に毎年交代しているところが多く、その都度、変更登記するのは負担になることから、法人化しない組合が多いようです。

⑤規約・議事録等および集会・決議の電子化等
 IT時代に相応して、規約や集会議事録を磁気ディスク、磁気テープ、フロッピー・ディスク、CD‐ROMなどにより作成することを認めました。また、集会における議決権についても、電子メールなどで行使できるとしました。
 ただし、実施するためには、規約の改正ほかIT関連の環境整備が必要となります。

⑥復旧手続の改正
 建物の一部滅失の場合のうち、建物の価格の1/2を超える部分が滅失したとき(「大規模滅失」と言います。)の復旧手続を一部改正しました。買取請求が特定の者に集中するという不都合があり、買取指定者制度および再買取請求制度を創設しました。また、買取請求権の行使期限が定められていなかったため工事開始後に行使されるなどの不都合があったため、行使期限を定めました。

(2)建替えの円滑化に関する改正
①建替え決議の要件の緩和(過分費用要件、同一敷地・同一用途要件廃止)
 従来の建替え決議には、区分所有者および議決権の各4/5以上の賛成多数に加え、「建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至ったとき」という要件を付けていましたが、今回の改正では、この曖昧な要件を削除しました。
 また、従前は、建替える場合、既存の敷地と同一の土地に建築することを要件としていましたが、この「敷地の同一性」の要件を緩和し、従前と一部でも重なっている土地であれば良しとしました。
 例えば、敷地に余裕があるケースでは、建替え費用捻出のため敷地の一部を売却することや、逆に規模の大きな建物に建替えるため敷地の買い増しを行うことができるようになりました。
 さらに、従前は既存の建物と主たる用途が同一でなければならないとしていましたが、この要件も廃止しました。
 その他、「建替え決議」の招集通知発信時期や招集通知記載事項の追加、説明会開催の義務付けなども改正されました。

②団地内建物の建替え承認決議
 従来は、複数の区分所有の建物が敷地を共有する団地において、そのうちの特定の区分所有の建物が建替えを行う場合でも、「民法」により、敷地共有者全員の合意が必要とされていました。しかし、現実的に敷地共有者全員の合意を得ることは不可能に近く、不合理との指摘があり、法改正が行われました。
 団地内にある数棟の建物の全部又は一部が区分所有の建物であり、かつ、その区分所有建物の所在する土地を団地建物所有者が共有している場合には、一部の区分所有の建物を建替えるとき、その団地建物所有者で構成される団地管理組合の集会において、議決権の3/4以上の賛成多数による「建替え承認決議」があった場合には、建替えが実施できることとしました。もちろん、これらの各建物の管理組合において、建替え決議(区分所有者及び議決権の各4/5以上)が前提であることは言うまでもありません。

③団地内建物の一括建替え決議の制定
 団地内の建物が全て区分所有建物であり、かつ、敷地をその団地内の建物の区分所有者が共有している場合で、しかも、各々の団地内建物を団地全体で管理するという規約が定められている場合には、団地管理組合の4/5以上の賛成多数で、一括して団地内建物の建替えを行うことができるとしました。ただし、その集会において各団地内建物ごとに、区分所有者の2/3以上がその一括建替え決議に賛成していなければならないという二重の縛りをかけています。

2012/03/26

マンション管理適正化法

<「マンション管理適正化法」の概要>

1.マンション管理適正化法制定の目的

 マンションの基本法は、当ブログ内専門用語の説明でも書いていますように、「区分所有法」となります。しかし、都市のさらなるビル化に伴いマンションが大幅に増加し、マンション管理の重要性が増している状況においては、「区分所有法」だけでは対応ができなくなってきたため、国では、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(略して、「マンション管理適正化法」と言います。)を平成12年に制定しました。

 この法律では、マンションの管理組合が適正に運営され、マンション管理業者の資質が担保されることによって適正なマンション管理を推進し、マンションにおける良好な居住環境の確保を図ることを目的としています。 

 主な内容として、マンション管理士およびマンション管理業務主任者の国家資格制度を創設し、マンション管理業者の登録制度等を定めるとともに、国や地方公共団体の役割も示しています。


2.マンションの定義

 当ブログ内専門用語「マンションとは」でも書いていますが、この法が出来るまで、法的に「マンション」という言葉の定義は存在しませんでした。それまでは、一般的に「中高層分譲共同住宅」と呼ばれていました。この「マンション管理適正化法」が対象とする「マンション」とは、「2人以上の区分所有者がいて、専有部分の住居が1戸以上ある建物と、その敷地および附属施設等をいう。」とあり、初めて、法的に「マンション」が定義付けられました。

 ※余談ですが、「管理組合」とは、どういう団体でしょうか?
 「管理組合」とは、「区分所有者の団体で、区分所有者は全員で団体を構成し、その団体の意思に基づいて建物やその敷地、附属施設の管理を行うもの」となっています。(区分所有法 第3条)
 管理組合は、複数の区分所有者がいれば当然に成立する団体で、成立のための総会は必要としませんし、区分所有者である限り脱退の自由もありません。区分所有者が専有部分を第三者に貸している場合でも、区分所有者は管理組合の構成員のままです。

3.マンション管理適正化指針

 この法で、 「国土交通大臣は、マンションの管理の適正化の推進を図るため、管理組合によるマンションの管理の適正化に関する指針(以下「マンション管理適正化指針」という。)を定め、これを公表するものとする。」とあり、平成13年年8月1日に公表しています。
 マンション管理適正化指針はこちらから、
 http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000270.html
 
 この指針では、管理組合による適正なマンション管理を誘導するため、管理組合の運営や長期修繕計画、その他マンション管理についてのあり方を定めるとともに、国や地方公共団体、※マンション管理適正化推進センター等の相互の連携とマンション管理に関する情報、資料の提供について示しています。

 ※マンション管理適正化推進センターとは、
 マンション管理適正化推進センター(以下、「センター」と言います。)は、管理組合によるマンションの管理の適正化の推進に寄与することを目的とし、国土交通大臣が、管理適正化業務に関し基準に適合すると認め、その申請により指定した財団法人を言います。

 センターは、マンションの管理に関する情報および資料の収集、整理をし、これらを管理組合等に提供します。 また、技術的な支援や講習、必要な指導および助言も行います。 その他、マンションの管理に関する調査および研究を行い、管理の適正化の推進に資する啓発活動や広報活動等の業務を行います。その他、下記の「マンション管理士」の指定試験機関でもあります。
 なお、国土交通大臣は、センターに対し、管理適正化業務の実施に関し必要な情報及び資料の提供又は指導及び助言を行うことになっています。

4.マンション管理士

 マンション管理士とは、このマンション管理適正化法に基づく国家資格で、「マンション管理士」の名称を用いて、管理組合や区分所有者の相談に応じ、適正な管理運営について、助言や指導等の援助を行うことを業とする者のことを言います。この法で、試験制度や登録規定、義務規定等を定めています。平成26年度時点で、全国に約3万2千人のマンション管理士がいると思われます。(ちなみに、私もそのうちの一人です!)

5.マンション管理業・管理業務主任者

 マンション管理業とは、管理組合から委託を受けて、管理組合の会計関係、マンションの維持または修繕に関する企画、実施の調整等を含む業務を言います。
 マンション管理業者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録名簿へ登録しなければなりません。また、5年ごとの更新も必要になります。
 マンション管理の適正な運営において、マンション管理業者の果たす役割は大きなものがあるため、その役割や義務等について、この法律で明文規定化しました。(宅地建物取引業と登録制度等が似通っています。)

 管理業務主任者とは、管理組合との管理受託契約の重要事項の説明から、受託した管理業務の処理状況のチェック等およびその報告までマンション管理のマネジメント業務を担うものを言います。マンション管理業者の事務所ごとに国土交通省令で定める人数の設置が義務付けられています。その数は、管理事務の委託を受けた管理組合の数を30で除したもの以上とされています。(居住用区分所有5以下の区分所有者で構成する管理組合は除かれます。)

 管理業務主任者となるには、管理業務主任者試験に合格し、管理業務主任者として登録し、管理業務主任者証の交付を受けることが義務付けられています。

6.マンション管理適正化推進センター

 「3.マンション管理適正化指針」で述べましたが、この法で、「国土交通大臣は、管理組合によるマンション管理の適正化の推進に寄与することを目的として、全国で一つだけ、民法の規定により設立された財団法人を「マンション管理適正化推進センター」として指定することができる。」と規定しました。
 マンション管理適正化推進センターには、公益財団法人マンション管理センターが平成13年8月に指定されています。通称「マン管」と呼ばれています。「マン管」へはこちらから、
 http://www.mankan.org/download1.html

7.マンション管理業者の団体

 また、この法で、「国土交通大臣は、マンション管理業者の業務の改善向上を図ることを目的とし、かつ、マンション管理業者を社員とする一般社団法人であって、規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、規定する業務を行う者として指定することができる。」と規定されています。
 マンション管理業者の団体の指定は、一般社団法人マンション管理業協会(旧社団法人高層住宅管理協会)が平成13年8月に指定されています。前述の「管理業務主任者」の指定試験機関でもあります。
 一般社団法人マンション管理業協会っへは、こちらから
 http://www.kanrikyo.or.jp/

以上、概要について簡単に説明しましたが、詳しくは「マンション管理適正化法」をご覧ください。
2012/03/25

マンション建替え円滑化法

マンション建替え円滑化法とは>

 阪神淡路大震災により被災した500棟あまりのマンションのうち、約100棟のマンションが建替えを行いましたが、それまで、日本ではマンションの建替えの実績はほとんどありませんでした。そのため、建替えが完了するまでに平均すると3年2カ月を要するなど、スムーズに建替え事業が行われたマンションは少なかったようです。
 
 そこで、国では、「区分所有法」の建替え決議等に関する規定を平成14年(2002年)に見直し、それに伴い、建替え事業を円滑に実施するため「マンションの建替えの円滑等に関する法律(以下、「マンション建替え円滑化法」と言います。)」を、同じく平成14年に制定しました。この法律は、初期に建てられたマンションが建替え時期を迎えていることも考慮したものです。

 従って、「マンション建替え円滑化法」は、建替えの計画や手続き、方法及び権利を移す仕組みなどが定められています。

<「マンション建替え円滑化法」の概要>

(1)「マンション建替組合」
 マンション建替えの施行者となる「マンション建替組合(以下、「組合」と言います。)」は、「建替え決議」が行われた後、建替え賛成の区分所有者の3/4以上が賛成する建替え計画(以下、事業計画と言います。)と組合の運営ルール(定款)を都道府県知事が認可したときに設立することができます。
 建替えに賛成する区分所有者や、事業に参画する住宅デベロッパーなどの民間事業者(「参加組合員」と言います。)は、「組合員」となります。組合には「法人格」が与えられ(登記は必要ありません。)、法人として工事の契約や資金の借入などをすることができます。組合は、マンションの建替えの合意形成を円滑に進めるため、当該法律に定められた意志決定ルールにより、集会等で必要な事項を決めていきます。

(2)「権利変換」
 マンションを建替えるときは、古いマンションを解体・撤去した後、新しいマンションを建築しますが、古いマンションを撤去した後も各組合員の区分所有権などはそのままとし、新しいマンションが完成後、権利を移行できる仕組みが設けられています。このことを「権利変換」と言います。これにより、古いマンションの区分所有権に担保を設定している金融機関からの合意も得られることになります。
 この権利変換の内容(「権利変換計画」と言います。)は、組合員の4/5以上が賛成し、都道府県知事が認することにより決定します。

(3) 権利の買取り
 組合は、マンションの建替えに賛成しない区分所有者の権利を買い取ること(「売渡し請求」と言います。)ができます。またその逆で、マンションの建替えに賛成しない区分所有者は組合に区分所有権などの買い取りを請求すること(「買取り請求」と言います。)ができます。

(4)一括登記
 「マンション建替え円滑化法」では、組合は建替えに必要なそれぞれの区分所有者の登記を一括して行うことができることから、各区分所有者は非常に煩雑な数多くの登記が避けられます。

(5)建替え勧告
 火災や地震などへの安全性が確保されていない、または、住宅として著しく不適切なマンションに対して、市町村長がマンションの建替えを勧告することができます。

<「マンション建替え円滑化法」の改正>

■ 「区分所有法」の改正(平成14年)に伴う改正

1) 組合施行の場合でも、建替え前の敷地の一部が含まれていれば建替えを可能とした。

2) 「団地一括建替え決議」に基づいて施行される団地の建替組合の設立を可能とした。

3) 団地内の建物の「建替え承認決議」があった場合は、権利変換計画の同意対象者は建替えるマンションの区分所有者のみとした。

以上、概略について簡単に説明しましたが、詳しくは「マンション建替え円滑化法」をご覧ください。

2012/03/24

媒介契約

<媒介契約>

 宅地または建物の売買、交換または貸借の仲介を宅建業者に依頼する契約のことを媒介契約といいます。
宅建業者は、媒介契約を締結したときは、後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、一定の契約内容を記載した書面を作成し、依頼者に交付することが義務付けられています。(宅建業法34条の2)。

 なお、この媒介契約には、次の3種類があります。

◇専属専任媒介契約
 専属専任媒介契約は、依頼主が宅建業者に対して、「この家を売って欲しい。ただし貴社以外には依頼しません。私が買主を見つけたときも貴社の媒介により売却します。」というように、依頼主が特定の宅建業者にのみ仲介を依頼する代わりに、宅建業者は成約に向けて積極的に努力することが義務付けられている契約です。
 契約の有効期間は3ヶ月以内としなければならないほか、目的物件を国土交通大臣の指定する流通機構に5日以内に登録しなければなりません。また、依頼主に対して、1週間に1回以上売却活動の状況を報告することも義務付けられています。

◇専任媒介契約
 専任媒介契約は、「専属専任媒介契約」と同様、特定の宅建業者にのみ仲介を依頼するものですが、自らが買主を探すことまでは制限されていません。(他の宅建業者からの斡旋は無効です。)宅建業者が他の業者に取引を横取りされる可能性がないため、営業努力が無駄になる確率が低く、それだけ積極的な努力が期待できるものです。
 専属専任媒介契約と異なる点は、目的物件の国土交通大臣の指定する流通機構への登録が7日以内、依頼主への売却活動の状況の報告義務が2週間に1回以上と緩和されている点です。契約の期間は、依頼者の利益が損なわれることのないよう3か月を超えることができません。また、依頼者の申し出によりこれを更新するときも更新のときから3か月を超えることができません。

◇一般媒介契約
 複数の宅建業者に仲介を依頼することができる契約です。不動産業者に報告義務はなく、依頼主も自ら買主を探すことができます。
 一般媒介契約には、他に依頼した業者名を明らかにする明示型とこれを明らかにしない非明示型とがあります。なお、目的物件の国土交通大臣の指定する流通機構への登録は義務付けられていませんが、任意で登録することはできます。