2022/02/22

はじめに

このブログは、「建築一般・マンション管理・身近な出来事や社会問題」を、建築士の視点から綴っています。
プロフィールの写真は、100年建築の私の生家です。
・・・よろしかったらご覧ください。

2019/04/11

日本社会に活気がないのは向上心が薄れたから!

日本企業の人事異動は何のため!

 新年度を迎え、人事異動や新入社員が入り、組織体制が一新されますが、例年思うことは、何のための人事異動なのか、私には理解できません。

 単に3年経ったからという理由だけで、全国各地の支社や営業所に異動させます。その引っ越しの費用や歓送迎会が経済効果をもたらしていることは否定しませんが、日本人一人当たりの生産性の低さは先進国の中でも最低と言われ続けているにもかかわらず、人事異動により、しばしば業務が停滞し、無駄な時間と労力が失われているのです。しかし、長年、ほとんどの企業で実施されてきました!

人事異動は人を育てる?

 よく耳にする理由としては、「長く一つのところに居ると活力が失われ、ときには、悪さをする恐れがある。いろいろな地域でいろいろな職種を経験することが、その人間を一まわりも二まわりも大き育てることになる。」などと言っている人がいますが、ほんとうにそうでしょうか?

チェック機能が働かないことが日本の最大の欠点!

 悪さをさせないためには、役員も含めてチェック機能が働いているかどうかであって、人事異動があるかないかではないと思います。NISSANゴーン事件を見ていてもそうですが、チェック機能が働かなかったことが原因ではないでしょうか。

向上心のみが人を育てる!

 また、人を育てるのは人事異動ではなく、本人が向上心を持っているかどうかだと思います。日本人は、大学でもあまり勉強をせずに就職活動ばかりに熱心で、社会人になっても漫画は読むがほとんど勉強はしないという人が多いのが実状です。

社会の活気は人々の向上心から産まれる!

 これでは、日本社会に活気が失われても仕方がありません。こんな学習意欲のない先輩達ばかりを見ていては、才能のある新入社員も埋もれてしまいます。若者に生気を感じないのは、私だけでしょうか?

2019/03/09

第27期マンション管理-定期総会

第27期(2018年)定期総会
 第27期定期総会(※今期、私は無役)は、2019年2月24日に開催しました。出席者10人・委任状2人の計12人/14人、議決権27/34、それぞれ3/4以上で特別決議が審議可能という出席状況でした。理事長が欠席のため、副理事長が議長に指名され、定期総会を開催しました。

・第1号議案(第27期事業活動報告及び収支決算報告)
 管理会社担当者より、本議案に関する説明が行われた後、私が申し上げた次のことを条件に、満場一致で承認されました。

 「一般会計の剰余金については、管理費削減のため、機械式駐車場の撤去、水道管の直結等の工事を、修繕積立金の取り崩しにより行った成果であることから、修繕積立金へ戻すべきお金です。次期総会において、実行することを確約してほしい。」

 <今期の主な活動>
 ①スーパーライフとの定例協議会を開催し、改めて改善してほしい事項を要求
 ②植栽保守において、今期も計画的に植替えを実施
 ③臨時総会を開催し、マンション保険の契約更新を実施
 ④予定の消防設備不具合箇所の改修工事を実施
 ⑤予定の竣工図面の電子化を実施
 ⑥例年とおり雑排水管洗浄工事を実施
 ⑦防災用の吸水土嚢の新規購入及び保存水の入れ替えを実施
 ⑧管理委託契約更新について検討
 ⑨共用散水栓の無償化、防犯カメラの更新について検討 等

第2号議案(管理委託契約更新の件)
 当マンションは、新築当初から管理委託費の値上げを認めずに,業務内容の見直しにより、管理委託費を低減してきました。しかしながら今回ばかりは、清掃業務費等の最低賃金の値上げに伴い、管理会社から2000円/月の値上げ申請がありました。

 質疑応答を経て、審議を行った結果、満場一致にて承認されました。ただし、10月に消費増税も予定されていることから、さらに管理委託の業務内容の見直しや、管理費等の値上げも含めて検討していくことを申し合わせました。
 
第3号議案(改正宅建業法に伴う管理規約改正及び共用に係る建物状況調査に関する細則策定の件【特別決議】)
 宅地建物取引業法(宅建業法)の改正に伴い、各戸(部屋)において、売買を希望する場合は、売主又は購入希望者による建物状況調査(インスペクション)が義務化されました。その際、管理組合に対し、調査に関する許可申請等が必要になることから、規約の改正及び許可申請等の細則の策定について、提案されたものです。

 私から、「調査に伴い共用部分に損害を被った場合、申請者がその責を負うことになっていることから、申請者は、売主と購入希望者のどちらも可ではなく、管理組合が請求できるのは、面識のない購入希望者ではなく区分所有者とすべきではないか?当面(次期)は、「申請者は区分所有者に限る。」として運用を開始し、次期総会において、改めて、検討してはどうか?また、調査の際の立ち合いについて、管理会社が有償で行うことになるのであれば、それも明記してはどうか?」と提案し、審議を行った結果、私の提案のとおりの条件付きで承認されました。

第4号議案(給水管改修工事実施時の注意事項及び1階住戸テラス散水栓の取り扱いの件)
 これは、当マンションも築年数の経過に伴い、専用部分の給水管等の交換工事が発生するようになり、その際、建物構造体を傷つけないようにするための注意事項を取りまとめたものです。また、1階テラスにある散水栓(専用使用)の交換工事は、費用的に過分となることから、共用部分の散水栓の使用を認めることにし、なおかつ、共用部分の水道の使用量が基本使用量に比べてかなり余裕があることから、共用部分の散水栓の使用については、全て無償にするというものでした。

 質疑応答を経て、審議を行った結果、満場一致で承認されました。

第5号議案(第28期事業計画及び収支予算の件)
 議長の指名により管理会社担当者より、本議案に関する説明が行われました。説明の後、特に質疑等もなく、採決を行った結果、満場一致で承認されました。

第6号議案(第28期役員選任の件)
 当マンション管理組合の役員は、輪番制で任期は2年となっていますので、これに則り、候補者を指名し、全会一致で承認・了承されましたが、次期理事の一人の意向が不明であることから、理事長の選任は後日となりました。 
 
 私から、「この10年程、理事会において、先送り事項が増えているように感じます。理事会は、年6回(1回/2月)と定めている訳でなはいので、できる限りその期の理事会で結論を出すようにお願いします。」と意見を言わせていただきました。

報告事項(その他)
 ある組合員より、カラス対策(カラスネットの代替案)に関する検討結果を求められましたが、現状(カラスネット)より運用的にも経済的にも良い案が見つからないとのことで、今年も、カラスに悩まされることになりそうです。

 また、ある組合員より、「駐車場を使用しているが、高齢になり、いつまで運転できるか?(いつまで駐車場使用料を払えるか?)・・・組合の会計に影響を及ぼすことから、皆さんに迷惑をかけないかと案じています。」
 さらに、「以前外壁からの漏水で組合に迷惑をかけたましたが、また、シールが劣化してそのようなことが起きないかと心配しています。」との報告、意見がありました。

 そこで私から、「それは致し方ないことで、駐車場料金が減収となれば、秋には消費増税もあり、管理委託の業務内容の見直しのほか、管理費の値上げについても検討する必要があります。また、大規模修繕については、修繕積立金の残高と劣化との競争の状態で、何もないことを祈るのみです。2022~3年頃には実施しなければと思います。」と申し上げました。

 以上で第28期総会を終了しました。
 2時間以上に及び、皆さん、どうもお疲れ様でした。

2019/02/25

新しい時代に向けて

「日本の常識は世界の非常識」

 2019年も明けて2か月が過ぎようとしています。太平洋側では、穏やかな晴天の日が多いですが、日本海側では、厳しい寒さが続いているようです。雪崩などの災害が起きなければ・・・と案じています。

 また、今年も各地で、断続的に地震が発生しており、大地震に至らないことを願っています。

 2019年(平成31年)を迎えて、事あるごとに、「平成最後の・・・」というフレーズを耳にすることが多くなり、そのボルテージも次第に増してきたように思います。そこで、新元号・新時代を迎えるにあたって、以前から、「日本の常識は世界の非常識」と言われていたことを思い出し、改めて考えてみました。

 その理由は、バブル崩壊後30年の長い間、日本が閉塞状態なのは、そこに原因があるのではないかと思ったからです。また、パワハラ、セクハラ、いじめ、虐待、過労死などのハラスメントが日本人に多いのも、同じ原因ではないかと思ったからです。

 日本の常識の多くは、いまだに統治者(管理者)側に都合の良い封建時代の思想が根底にあり、我々国民は、それに巧く洗脳され、受け継いできてしまったのではないでしょうか。

世界でも有数の極貧国家

 日本は、江戸時代までは、1割にも満たない武士や公家がこの国を支配し、一般庶民は、自らの権利や自由、平等を訴えたこと(デモクラシー運動)など一度もなく、長い間、農耕中心の貧しい生活に耐えてきた世界でも有数の極貧国家であったわけです。

 明治になって、武士の身分はなくなり、欧米の思想が入ってきましたが、今度は、薩長主体の新政府が掲げた「世界の一等国入り」という野望のために、「富国強兵」の基、「世界侵略構想」によって、さらに、国民は虐げられたのです。結局、この時代もデモクラシー運動は市民権を得ることはなく、その結果、・・・太平洋戦争へ、・・・結局、敗戦です。

形式だけの民主主義

 戦後は、焼土化した国土で、国民は飢えと闘いながら生きるために働きました。そしてGHQは、世界戦略上、日本を資本主義(西側)陣営に取り込むため、民主主義を強要し、そのおかげで日本人は、主権や自由、平等を手に入れることができたのです。勿論、私達が勝ち取ったものではなく、米国から与えられたものです。ときの政府も、真に民主化を望んでいたわけではないでしょう?天皇制と明治時代からつづく官僚制が保持できれば良かったのでしょう?そのためか、残念ながら日本は、魂のない、形式だけの民主主義国家になったのではないでしょうか!

日本の民主主義国家は錯覚!

 我々国民も、与えられた権利であり、与えられた自由、平等であることから、その価値や真の意味を深く理解することもなく、朝鮮戦争を踏み台にし、資本主義による高度経済成長を成し遂げ、日本人は世界一優秀な民族などと、政府や官僚、財界人から煽てられ、いい気になっていた時代が昭和だったのではないでしょうか。そして、いつしか日本は、真の民主主義国家だと誰もが錯覚するようになっていったのです!

人間関係を重んじる欧米人
上下関係を重んじる日本人

 そのため、いまだに統治者(管理者)側にとって都合の良い上下関係の礼節を美徳とする思想や慣習が、政治・経済・文化・スポーツなどの各分野に、日本の常識として根付いていることに気付かないでいるのです。これらの思想や慣習が無意識のうちに身体に染み付いていて、変だとは思わないのです!これらのことが原因となって、人間関係を重んじる欧米の常識と、上下関係を重んじる日本の常識とでは、油と水のように馴染まないのではないでしょうか。

 上下関係を美徳とする日本のシステムとしては、茶道や華道、日本舞踊などの家元制度が真っ先に挙げられますが、歌舞伎や落語などの演芸、大相撲やプロ野球、高校野球などのスポーツに至るまで蔓延っています。しかしながら、日本人はそれらの業界が好きで好きでたまらないのです。また、その上下関係は、一般社会にまで浸透しており、「お客様は神様です!」とか、「長い物には巻かれろ!」とか、民主主義にあるまじき格言が、いまだに言われつづけています。同様に一般の企業でも、上下関係の管理を優先するあまり、実のある働き方改革が進まないのではないでしょうか。スポーツ界での体罰もそうだと思います。

目覚めよ!「九州男児」&「京都人」

 特に、上下関係の好きな人種は、「九州男児」と「京都人」だと思います。明治新政府は、その「九州男児の薩摩」と「京都の公家」が合体した組織であることからも、日本の近代化は、如何にが封建的、保守的であったかうかがい知ることが出来ます。九州男児は、いまだに「男尊女卑」の思想が根底にあり、生っ粋の京都人は、見栄っ張りで格式を重んじ、直接的に物を言わない(遠回しに嫌味を言う)など、現在でも、その性格を引きづっている人が多いようです。この人達が、近代以降の日本社会に悪影響を及ぼし続けているのではないかとさえ感じます。

勇気ある連鎖のデモクラシーが必要!

 日本が、真の民主主義社会となるためには、社会的、経済的地位よりも、個人の尊厳や人格を大切にする社会になることが求められており、そうでない限り変わらないと思います。誰もが勇気を持ってデモクラシーを促し、それが連鎖となって広く浸透していかない限り、法制度だけを変えても変わりません。現在の日本の常識がデモクラシーか否か、一つ一つ突き詰めて考える必要があります。 政治デモクラシー、経済デモクラシー、働き方デモクラシー、スポーツデモクラシー・・・各分野において変わらなければ・・・!

2019/02/03

深刻なインフラの老朽化

インフラモニタリング技術シンポジウに参加

 一昨日(2/1)は、CPD(継続研鑽)も兼ねて、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)主催の「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」(平成26年度~平成30年度)における「NEDOインフラモニタリング技術シンポジウム」を拝聴してきました。なんと、朝9時30分から夕方5時までの6時間近くにも及ぶ長い々報告会でした。

日本は深刻なインフラの老朽化が進行中‼

 最近では、イタリアでの落橋事故などがテレビで報道されたことから、日本でもインフラの老朽化が話題になりましたが、これは、他国の問題ではなく、特に日本では、どの国よりも待ったなしの状況にあります。

 しかし、インフラの保守メンテには、莫大な費用・時間・労力が必要になることから、特に財政の厳しい地方自治体では、点検すらできないのが実態です。

 そこでNEDOが、インフラの維持管理・更新に欠かせない点検・調査に関する効率化・省力化・定量化を目的として、公募により大学や民間企業の参画を受けて、5年計画で調査・研究・開発を行ってきました。そして、IOT・AIを活用したインフラのモニタリング新技術を開発し、実用化に向けてその成果を公表したものです。当然、このプロジェクトには、国税が投入されています。

  政治家が、選挙の票にならないインフラの保守メンテなど地道な施策には後ろ向きで、国民の関心の高い箱物公共事業にばかり熱心なことが、このような事態を招いているのです。言い換えるならば、我々国民が、このような事態を引き起こしているとも言えるのです。

 このプロジェクトは、遅まきながら、とても重要な研究開発です。しかし、これが実用化されても、残念ながら、全ての課題が解決されるわけではありません。これまでの目視による点検・調査に比べて、効率性やその精度は格段に上がりますが、どのインフラのどの箇所をモニタリングするのか?また、このデータを有効的に活用する仕組みづくりは?さらには、コストの縮減となる計画的なメンテ工事の手法は?、その財政支援は?などなど、いろいろな問題が山積されている状況です。

 日本は、戦後、国民への公平な行政サービスを基本方針としてきたため、公共事業は、品質や機能性・デザイン性は後回しにされ、広い地域と各分野にばらまかれてきました。そのため、品質の低いインフラ(公共事業)が数多く造られ、そのうえ、維持管理などは軽んじられてきたことから、老朽化したインフラで溢れる事態になっています。今の老齢な政治家達では、この状況からは抜け出せないでしょう!若い世代の奮起に期待するしかありませんが、せめて、これから造るインフラについては、恒久的で、メンテも予算に含めた事業計画であることを望みます。

東京タワーはいつまで見られるかなあ・・・⁉

2019/2/2東京タワー

 そんなこんなを考えながら、モニタリング新技術のスライドに目を凝らして見入っていました。シンポジウムが終わって外に出ると、目の前には東京タワーがそびえ建っていました。そう言えば、このタワーも50年を過ぎているのだと思い、久しぶりにまじまじと眺めていましたら、下層部分では足場が組まれて、正にメンテ工事が行われていました。さすがに東京のシンボルは違うなあ!しかし、どこにでもあるような橋やトンネルは、こうはいかないだろう?と、複雑な心境になった次第です。

2019/01/03

今年も鎌倉三社参り

2019年 明けまして おめでとうございます

2019我が家の正月飾り
2019 我が家の正月飾り

 今年の関東地方は、三が日とも快晴に恵まれ、恒例の鎌倉三社参り(祈願)をしてきました。今年の3月に、WELBOX主催の「北条氏政権の時代を歩く」「鎌倉北条氏100年―その盛衰を歩く―」というイベントに参加して以来の鎌倉でした。
 一社目は、当然、鶴岡八幡宮です。旧年中のお礼と今年の健康・安全・無災害を祈願してきました。次に、銭洗弁財天に向かい、投資開運を祈願し、その次に、佐助稲荷神社を参拝してきました。

2019鶴岡八幡宮初詣 2019銭洗弁財天初詣 2019佐助稲荷神社初詣
2019初詣 鶴岡八幡宮鎌倉
2019初詣 銭洗弁財天
2019初詣 佐助稲荷神社

 朝早く出かけたおかげで、あまり混雑に巻き込まれることもなく、初詣方々、大好きな鎌倉を散策してきました。「さすが鎌倉!」と感心するモダンな板張りの木造り住宅や打ち放しコンクリート住宅が新たに建築されているのを発見し、「やっぱり、鎌倉はいいなあ‼」と自分の街でもないのに幸せな気分になりました。

2019正月 鎌倉の木造り住宅
2019正月 鎌倉の木造り住宅

 しかし、古都保存法の「歴史的風土特別保存地区」でもある鎌倉と言えども、竹垣などが少しずつ姿を消し、「古都」の風情が失われつつあるように感じ、一抹の不安も覚えますが、※鎌倉三大洋館の一つといわれている「古我邸」の保存利活用や、「鎌倉歴史文化交流館」の新築などを拝見し、多いに期待を持って、これからも歩ける限り「鎌倉」を散策したいと感じた初詣でした。
※鎌倉三大洋館 : 鎌倉文学館(旧加賀藩前田家当主別荘) ・ 旧華頂宮邸 ・ 古我邸(日本初のカーレーサー「バロン・古我」)

2019正月 旧古河邸    2019正月 鎌倉歴史文化交流館
2019正月 古我邸(現在は、フレンチレストラン&ウェディング)
2019正月 鎌倉歴史文化交流館

2018/12/18

東京駅復原工事に思う

 12月12日、日本技術士会建設部会主催による「東京駅の変遷」をテーマとする講演会を拝聴しましたので、少し感想を述べさせていただきます。

 講演者は、次期土木学会会長(JR東日本OB、鉄建建設㈱代表取締役会長)の林康雄氏でした。2012年に完成した「東京駅保存・復原工事」にJR東日本時代から携わっていらっしゃった方で、内輪話も含めて興味のある話を聞くことができました。

 東京駅丸の内駅舎は、明治時代から複数の「お雇い外国人」にデザインを依頼したようですが、結局、イギリス留学の経験を持つ、ジョサイア・コンドルの弟子でもあった辰野金吾氏に設計を依頼したとのことでした。それぞれ当時のデザイン画を映像で拝見することができました。

辰野のデザインも3次案を経て現在の姿になったとのことですが、一般的にオランダ風と言われているらしいですが、イギリスに留学していたこともあり、イギリスのクイーン・アン様式をアレンジしたものではないかと言われています。辰野自身は、「ルネサンス様式」といっているらしいですが、ビクトリアン様式やルネサンス様式、ある部分にはバロック風の装飾など中近世ヨーロッパのいくつかの建築様式を自在に取り入れたようで、いわゆる「辰野式フリー・クラシック」と言っている人もいるようです。

東京駅丸の内駅舎は、1914年(大正3年)に創建され、その堂々たる姿で多くの人々に愛されてきましたが、1945年(昭和20年)、戦災により南北のドームと屋根・内装を焼失し、戦後、3階建ての駅舎を2階建て駅舎(木造)に復興し、60年以上も、仮設建築物の形で存在したことになります。

今回の「保存・復原工事」では、鉄骨煉瓦造として外観を創建時の姿に忠実に再現するとともに、地下階を新設し、機能の拡大を図っています。そして、大震災にも耐えうるため、「免震工法」を採用しています。

東京駅丸の内駅舎-2行幸通りから東京駅丸の内駅舎を見る

 しかし、復原工事の工事費を捻出するため、余った容積(丸の内駅舎の4倍近く)を活用することを考え出しました。それが、特例容積率適用区域制度(現在は、特例容積率適用地区制度)の法制化です。そこで、余った容積の大半を売却し、4~5百億円のお金を得たのではないかとのことでした。その容積は、すぐ傍の「丸の内パークビル」、「新丸の内ビル」、「東京ビル」、「JPタワー」、「八重洲開発ビル(八重洲駅ビル)2棟」に移転され、超高層ビルが東京駅を取り囲むように建てられました。

 以前、丸の内界隈は、31mの高さ制限が規定されていましたが、それも解除されたうえ、国の重要文化財でもある「東京駅丸の内駅舎」の容積が周辺に移転されたことから、「丸の内駅舎」は、どこから見ても超高層ビルを背に負うようになりました。すべてにおいて、経済最優先の施策から脱却しない限り、日本の歴史的建築物は、遺跡になってしまいます。東京駅丸の内駅舎は、多くの乗降客に利用されているからまだ救われますが、そうでない建築物が数多あります。また、歴史的建築物の外壁の一部だけが、新築の超高層ビルの外壁に貼りついたようなビルもよく見かけますが、これは、丸の内駅舎と比べても残念な限りです。

2018/11/25

今どき、大阪万博?

東京オリンピック・パラリンピックの二の舞か?

 11月23日(金曜日)にパリで開催されたBIE(博覧会国際事務局)総会において、2025年国際博覧会の立候補国(日本(大阪)、ロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー))がBIE加盟国に対し、開催国決定投票前の最後となるプレゼンテーションを行いました。

 その後、BIE加盟国による2回の投票により、2025年国際博覧会の開催国が大差で日本に決定しました。何故、こんなにも差がついたのかはさて置き、会場建設費だけでも、約1250億円もの予算を目論んでいます。しかし、東京オリンピック・パラリンピックでもそうであるように、時間の経過とともに予算が膨らむことは火を見るよりも明らかです。

税金の無駄使いでは?

 3分の1ずつを、国、大阪府(関西圏自治体)、関西経済界で負担するとのことですが、税金の使途として国民の理解が得られるのか、はなはだ疑問です。そんなことに大金を投入するより、教育、国会・行政システム、産業構造の刷新にお金も労力も使うべきです。

またも、万博に日本再生を委ねる日本!

 2800万人の来場者を想定し、約2兆円の経済波及効果を見込んでいますが、1970年の大阪万博時代とは、情報・科学技術も世界情勢も全く違います。イベントに頼ってばかりでは、この国は再生できません!

2018/11/11

KYBグループ・川金によるデータ改ざん

また、データ改ざん技術者倫理は?

 油圧機器大手の「KYB(カヤバ)」グループと川金ホールディングスによる免震・制振用ダンパーの「検査データ改ざん」が発覚し、再び、建築業界に激震が走りました。免振装置では、3年前に、東洋ゴムが国の性能評価基準を満たしていないにもかかわらず、データを改ざんして、免振ゴム(アイソレータ)を出荷していたことが発覚し、大問題となったばかりです。

工期の短い日本の建築現場!

 今回は、安全性については、過度の心配は無用と言われていますが、ほとんどのダンパーがこの2社の製品(この2社による国内シェアーは90%)ということなので問題は根深いと考えます。工期の短い日本の建築現場では、このような偽装をしてまでも納期に間に合わせようと、このような問題が発生するのではないかと思います。

日本企業全体の病巣か?

 これまでも、長年、他の業界を含めて数多くの日本企業がこのような不正を行ってきており、看過できない由々しき事態となっています。日本企業全体に蔓延しているのではないかと心配になります。

技術立国日本の行く末に暗雲!

 仮に、安全性に問題がないとしても、世界において、日本企業の信用失墜は免れないでしょう。そうでなくても、いろいろな分野で日本の技術は、世界に水を開けられている状況です。

規則・マニュアルは絶対順守!

 今一度、「規則・マニュアルは、順守するためにあるもの」ということを肝に銘じて、かつ、チェック機能を強化してもらいたい。守らなくても良いものや過度の規制は、規則・マニュアルそのものを変えてもらいたい。

工期は重要事項にあらず!
 また、建築主においては、工期を建設業者選定の重要事項とする風潮を改める必要があります。

2018/10/28

未来の東京のアイデンティティを考える

Innovative City Forum 2018」に参加

 森ビル(株)が運営する森美術館とアカデミーヒルズ(理事長:竹中平蔵)・(一財)森記念財団都市戦略研究所(所長:竹中平蔵)との主催による「都市とライフスタイルの未来を議論する国際会議 Innovative City Forum 2018」が、2018年10月18日から20日までの3日間六本木ヒルズで開催され、今年は、18日・19日のプログラムの一部に私は参加しました。
Innovative City Forum

東京は、ロンドン、ニューヨークに次いで世界第三位の都市?

 「Innovative City Forum(ICF)」は、「都市とライフスタイルの未来を描く」をテーマに2013年から毎年開催している国際会議です。国内外の科学者、研究者、技術者、アーティスト、デザイナー、企業経営者、ジャーナリストなどを招いて、科学技術の進展等による未来のライフスタイルや、その生活を支える都市の未来について過去5回にわたり開催されてきました。

 この会議に先立って、森記念財団の都市戦略研究所が5年前から始めている「世界の都市ランキング」が公表され、今年も東京は、ロンドン、ニューヨークに次いで総合評価では3位でした。これは、あくまで森記念財団の評価であって世界的なものではありませんが、違和感を覚える人も多いと思います。東京は、ゴミは少なく道路だけはきれいになりましたが、それ以外の点では、世界NO.3の都市とはとても思えません。特に、街並の景観では、数多くの都市に劣っていると思います。

 今回は、18日の夕方に行われた「東京のアイデンティティ:時間の連続性と想像力がもたらす未来の東京らしさ」を傍聴し、面白かったのでその内容について簡記しました。

2018森ビルFORUM

未来の東京のアイデンティティは・・・?

 司会は、テレビでお馴染みの竹中平蔵先生(小泉政権時、経済財政政策担当大臣)が務め、パネラーには、二人の大学教授、作家、建築家と日本人勢が並び、右端の席に、流暢な日本語を話す美術工藝社代表である外国人のデービッド・アトキンソン氏が講演も含めて座りました。

 竹中先生ほか日本人のパネラーは、都市東京(江戸)の歴史や成り立ち、伝統、文化、史跡(江戸城)、将来の都市東京の方向性(点から線へ)、現代和風建築などについて、いろいろな話しをされましたが、これと言って興味深い話しや切り口もなく、至極一般的な話しに終始しました。結局、東京タワーやスカイツリーは、パリのエッフェル塔・凱旋門やニューヨークの自由の女神には足元にも及ばず、未来の東京のアイデンティティ(東京らしさ)とはどういうものか、何だかよくわかりませんでした。

訪日外国人から見た日本は・・・?

 ところが、ただ一人外国人であるアトキンソン氏は、日本人のパネラーとは思考や発想が全く違っていて、私が日頃から「日本人のここがおかしい!日本のここが変だ」!」と思っていることを言い放ってくれたような感じがして、とても痛快で面白かった。特に、国や地方のインバウンド政策の見当違いや、私達日本人が普段何気なく思っている日本の姿と、訪日外国から見た日本の印象との違いについて、辛辣な語り口で面白く話されました。

 彼の言いたかったことを私なりに要約しました。

① この10年世界では、外国人旅行者の数が3倍以上に急増しており、日本のインバウンドが3倍になったとて自然の成り行きで、国の観光振興策が功を奏したとか、日本の魅力が向上したとは言い難い。
② 国は、インバウンドの調査において、訪日外国人からのみアンケートを行い、訪日しない外国人の意見は聞かないので、インバウンドを増やすためのアンケート調査になっていない。
③いくら歴史的意義のある史跡や文化があっても、その説明もなければ実体験もできなく、外国人は、日本人が思っているほど日本文化には感動していないし、感動できない。
④外国人が高い航空券と宿泊費を払って日本に来るのは、楽しいバカンスを過ごすためであって、日本の歴史や文化を知りたいとか、日本食を食べたいとか、日本文化とのふれあいだけを目的に来ているわけではない。その国の人々の暮らしぶりや心が癒され豊かになるような自然、体験型ツーリズムなどを求めているのである。(一部には、買物中心のインバウンドもいるが・・・)
⑤外国人は、WiHi、ATM、カード決済などの使えないような国(日本)は、技術先進国とは誰も思わない。

排他的な日本人!

 東京は、複雑な交通網や雑然とした街並みが多いので、日本人であっても首都圏以外の人は、戸惑うばかりの都市です。また、日本人の排他的な性質が根幹にあるためか、局外者に優しくない不親切な案内板(標識・MAP・サイン・案内放送など)が多いので、訪日外国人が快適に旅行できるとはとても思えません。
 日本の標識や案内板は、案内誘導することよりも設置すること自体が目的となっているものが多いように感じます。これは、私の感想です。

アイデンティティは、自然と宿るもの!

 結局、アイデンティティは、考えるものではなく、創造するものでもないと思います。そこで生活し、そこに滞在する全ての人が、居心地良く、優しく安全に暮らせる都市の創造であり、多様な価値観や文化を許容することのできる懐の深さが、アイデンティティとなり、多くの人の心の中に自然と宿るものではないでしょうか。
 フランスでは、4000万人の国民に対して、年間8000万人の旅行者が毎年訪れますが、訪仏外国人のために何か特別なことをしている訳ではありません。